ウォークマットⅡについて
初めて官足法に興味を持ってここを読んで下さってる方のために、ウォークマットⅡの誕生について書いてみたいと思います。
ある日、官先生が行本会長に「粘土を買って来て下さい。子供の工作用でいいです。」と言われたそうです。行本会長はお孫さんが使うのだろうと想像して2箱購入して帰ったところ、返ってきたのは「こんなのでは足りません」の言葉。
その後持ちきれないほどの量を購入した行本会長。官先生はその紙粘土を捏ねては足に合わせ、崩し、また練って固めては上に乗って形を作ってまた崩すという作業を繰り返したそうです。
それで半年後に完成したのが6枚セットの歩行板(ウォークマット)。現在、1枚の状態のプチマットと呼ばれる商品でその名を知られていますが、本来は繋げて歩いて使うための物だったようです。その流れから完成したのがウォークマットⅡ。
ウォークマットⅡには複数のボコボコした部分がありますが、大きさも形も違うので、足の裏に突起が当たる感覚がどれも違います。
四隅の突起の形が違うのも中央に山の様に出ている部分があるのも大変工夫がされていて、ただマットの上で足踏みをするだけではなく、工夫次第で様々な使い方が出来てしまう便利な官足法グッズです。
こうして足もみに便利なグッズを紹介しましたが、官先生や足もみの先輩方がこういった工夫をされたのには理由があると思うんです。販売する事だけが目的ではなく、いかに疲れずに効率的に足が揉めるか、または自分で足が揉めない体調や体の人でもどうにか便利に足を揉めないだろうかといった優しさも含まれたグッズだと私は解釈しています。
長くなってしまいますが、ここでは官先生がウォークマットを開発するに至った経緯で欠かせない血液循環について書いてみたいと思います。終戦後、官先生が台湾に戻られてから再び日本に来られるまで30年はありますが、その期間のお話です。
一人っ子で病気を患っていた官先生。子供の頃にご両親も亡くされていて、育ての親は叔父さん。戦争中に肺浸潤・赤痢に罹患し、戦中戦後は食べ物がなくて衰弱状態にあり、常に頭痛・難聴に悩まされたりすぐに風邪を引く状態が長く続いていたそうです。
もしも戦争で命を落としていたら、子孫が途絶えてしまう可能性がありました。それを助けたのが戦争中に出会った2人の日本兵だそうです。
戦争中ですから、表向きは当然兵隊さんの指示方法。だけど実際には当人にしかわからない方法で戦地に行かずに内地の横須賀に行くように指示を受け、その後は長野で転地療養の指示。その後台湾へ戻られたと伝えられています。
台湾に帰ってからは師範学校を卒業して小学校の先生になりますが、教員の傍ら独学で覚えたバイオリン教室を台北にある自宅で開いていて音楽教育の指導者として台湾全土を講演。バイオリンも30年続けられていて、当時の台湾で「バイオリンの官さん」で知らない人はいないくらい有名。自分でオーケストラも持っていたという驚きの話ばかりが残っています。
戦争中に病気を患った官先生は台湾に戻ってからも体調がすぐれず、友人のお父さんがいた台北の大学病院へ行ったそうですが体に合わずに継続を断念。だけどなんとか健康に戻りたいという想いから様々な健康法を試したり、体のしくみを研究したりされていたそうです。
その中のひとつには漢方があって、心得があった育ての親である叔父さんに教えてもらおうとしたのが20歳の頃だったそうです。だけど「50年かかる」と言われるほど難しくて奥が深く、勉強をしているうちに体が弱ってしまうと考えた時期もあったのだとか。
ここからが現在の官足法に繋がるのですが、体調がよくならない官先生が途方に暮れて河原に行った故郷・台中での出来事です。
河原にいたら、子供たちが裸足で元気に石の上を走り回っていたそうです。官先生もご自身の子供の頃を思い出して、同じように裸足になったそうですが、痛くて走るどころか立つ事さえも難しかったのだとか。それがきっかけで、血液循環の大切さに注目するようになったのだそうです。
「そうだ!老化は足からというではないか。足裏がこんなに痛くて立てないのは、硬くて冷たい足裏の神経を河原の石が直接刺激するからだ。病気で自分は足から老化してしまった。ならば、この子供たちのような柔らかくて温かい足にすればいいんだ。」こういった経緯があって官足法が生まれ、現在のウォークマットの誕生に繋がっています。
私の情報収集に誤りがなければ、官先生がご自身で足もみセルフケアをされたのが45歳で1972年(昭和47年)頃だと思われますので、再来日されたのが55歳というお話に合わせますと、ただ見つけてすぐの発表ではなく、ご自身の結果も含めての「結論は血液の循環」という事になるのだと思いました。
ここからは現代の話、このHPを読んで下さってるみなさまへ向けての内容です。
自分で自分の足を揉むために、まずは入門編でご自身が入手しやすい足もみ棒からのスタートでも問題ないと個人的には思っています。だけど継続されている方はわかると思うのですが、やはり長く続けていたら長年愛されている道具にはその理由があって、使い勝手や使い心地の違いなど選ばれる理由がそこにはあると思うのです。
官足法のグッズは類似品も多く出回っているようで、プラスの考え方をすれば真似されるほど良品という解釈も出来ます。だけど物には起源があって、最初に考えて研究・開発した人の苦労を無駄にしたり、せっかくの善意を踏みにじって悪用してはいけないと思うのです。それは官足法に限った話ではなく、どの分野に関しても人として守っていきたいマナーではないでしょうか。
こういった事からも本物をしっかり知っていただいて、誤って類似品を購入して失敗して泣き寝入りのような無駄なお金を使わないための知識をつけていただきたいと思います。
官足法では、自分で自分の足を揉むために便利なグリグリ棒・赤棒・ウォークマットを「三種の神器」と呼んでいます。私が学んだ官足法究楽部(かんそくほうくらぶ)ではグッズの販売も行っております。こちらでは正規品の販売を行っておりますので、ご興味ありましたら下記URLからどうぞご覧ください。
官足法究楽部
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