純粋な心

資格を取得して活動を始めた私でしたが、思いがけず障がいをお持ちの利用者さんがいる施設でボランティアさせて頂くご縁を頂きました。

その施設には冬になると入浴剤の入った足湯を準備してくれたり、リラックスのBGMを流してくれるなど、利用者さんが少しでも日頃のストレスから解放されるようにと心遣いをする優しいスタッフさんの姿がありました。


それだけでもボランティアで訪問すると心が穏やかになったのに、純粋な心に触れて驚くような出来事があったのです。

(許可を頂いて掲載しています)


官足法は痛みの理由を知る必要もあるので、知的障がいの方が多いこの施設では優しめの圧で手で施術していました。


足もみは未経験という女性に

施術をした日のこと。


大好きなバスケットボールチームのぬいぐるみを連れてきてくれて、抱っこしながら受けたいというご希望がありました。初めての施術は不安よりも好奇心があるように感じました。だけど、病気の関係か足に緊張があってリラックスできているか気になった私。


痛くないですか?

だいじょうぶですか?

声をかけながらゆっくり施術。


左足の施術が終わると、

ぬいぐるみの足が私の手元に近づいた。

そっとぬいぐるみの足を揉むように

触れてみる。


(あっ、喜んでくれた!)


施術後、施設のスタッフさんに感想を聞かれて照れくさそうにしていたので「ぬいぐるみも一緒に施術を受けたんですよ」そう伝えるとスタッフさんが笑顔になった。


ここの施設では、利用者さんみんなに対して愛情プラスのくだけた敬語で対応していたのが印象的でした。

障がいと一言で言っても、そのケースは多種多様。考える能力は年齢相応でも発する言葉の表現がゆっくりであったり、子供の様な会話に聞こえてしまうケースがあるのです。中身は成人なのに、子ども扱いするのは失礼なこと。

私の場合は偶然にも過去の仕事でそういった配慮について学ぶきっかけがあったので、利用者さんをしっかりと心のある1人の人間として見ている素敵な施設だと感じました。

でもこれは未経験ではどうしても気がつきにくい。配慮をするには知識が欲しいけど、知るきっかけが無いと無知のまま。

こう書き残すことが誰かのための知識の1つとなって、私の経験談がいつかどこかで誰かのお役に立てたら幸いです。